みかんとフェレット

観劇が好きです。ネタバレあります。

髑髏城の七人

行ってきましたー!

2回目の新感線、そして日本初の360度アラウンド劇場!!

 

演目についても劇場についても知識ゼロで観劇したので、客席に着いた時「どのへんが360度なの?どうなるの??」という感じ。

 

劇場についてわたしの説明で理解してもらうのは難しいかもしれませんが…

劇場中央に円形に設置された客席を、舞台が360度囲みんでいます。

舞台は360度ありますが、観客が観ることができるのは幕?が空いてる前方スペースのみです。

場面転換時に客席が床ごと回転し、別のセットが設置されたスペースが開き、観ることができるようになります。

伝わる…?伝わってない気がする。

 

なので、様々な場面のセットが予め準備できることがメリットの1つですかね。

セットにかなりお金かかりそうだなぁ…とか思ってしまいましたが。笑

あと、この劇場の特徴をどう活かすか、演出家の手腕がより重要になりそうですよね。

 

 

劇場の説明はこれくらいにして、演目について。

トーリーは書いてませんがネタバレ多数です。

 

いや、めちゃくちゃ面白かったです!!!!!

 

1幕で1番好きなのはラストの蘭兵衛(山本耕史)の殺陣です。

もうほんとここの殺陣は最高。

蘭兵衛のキャラクターに合った、派手すぎず、切れ味のあるクールな殺陣でした。

一面真っ白な花が咲いている舞台で白い着物を着て、黒装束の敵を華麗に捌いていく姿が美しすぎます。

この場面の舞台セット、シンプルですがすごく好きでした。

白い花が(わたしの席からは何の花かまでは見えませんでしたが)まるで葬儀を匂わせるように規則的に並んでいました。

蘭兵衛が、自分が作り上げてきた町や仲間を裏切り、現在の自分を捨てるために葬儀を感じさせるセットにしたのかなーと思いました。

山本耕史NHK新撰組の頃から好きなのですがやっとこさ初めて生で観ることができて、やっぱりサイコーにかっこよかったです。

和服がめちゃくちゃ似合う。

 

蘭兵衛はダークサイドに落ちてしまう悲劇の男で、過去の自分との葛藤や儚さが魅力的な役です。

そしてモテそう。

 

ですが!!わたしの一押しは青木崇高演じる兵庫です!!!!

兵庫は荒くれ者をまとめる野武士のリーダーです。

粗野で大雑把で単純なキャラクターなのですが、曲がったことが大嫌い、惚れてる女に一途で、部下にはとっても慕われています。

こういうキャラ!!!!大好き!!!!超タイプ!!!!

ちょっとバカっぽいキャラが好きなので、兵庫はめちゃくちゃツボです。

惚れてる極楽大夫にはいつもあしらわれているのですが、あしらわれていても「俺は好きだぜ!!」っていうのが全面に出ていて最高。

 

蘭兵衛の裏切りにより、兵庫の部下は全員殺されてしまうのですが、部下は皆死ぬ間際まで「こんなことでビビってたらアニキに殴られちまうからな!」と笑いながら死んでいきます。

兵庫が好きで心から尊敬していることが伝わってきて、このシーンは泣きました。

兵庫の信念、そして兵庫を信じる部下たちの信念が素敵でした。

 

そして、兵庫が惚れてる極楽大夫はりょうが演じていたのですが、美人で勝気でとてもハマリ役でした。

銃で戦う姿はとてもかっこよくて凛とした強い女性なのですが、ラストで兵庫からプロポーズされた時に「りんどう。本当の名前よ」というセリフの言い方がめちゃくちゃ慈愛に満ちていて、素敵でした。

里を守るために強い女性であり続けた極楽大夫が、ようやく1人の女性として安心できる場所を見つけた瞬間なんだなと感じました。

 

最高に笑ったのは古田新太演じる贋鉄斎。

何でこの人はこんなに面白いんだ…。

自分の打った刀で自分に傷をつけるドMな変態刀鍛冶という役なのですが、なんかもういちいち面白くて!

 役の設定が面白いというのもありますが、古田新太だからここまで面白くなるんじゃないかなと思います。

「どんなに切れ味の良い刀でも、こまめに手入れしないとなまくらになってしまう。それを防ぐためには、戦場で斬ったら研ぐ、斬ったら研ぐってすればいいんじゃない?」→「んなことできるかーい!」みたいな感じで笑いを取るシーンがあるのですが、終盤の殺陣で、腕に砥石をつけて本当にそれをやってて爆笑でした。

 

ちなみにその殺陣は小栗旬演じる捨之助&贋鉄斎vs敵なのですが、演出がめちゃくちゃかっこよかったんですよね!!!

音楽も激しめのロックで、照明も色鮮やかで、所謂「舞台でよく観る殺陣の演出」ではなかったです。

かっこいいわ面白いわ演出はド派手で更にかっこいいわで、もうこのシーンは大拍手ですよ!!!

最高にかっこいい!!!!!

 

カテコでは客席が回転して、舞台の各セットをぐるっと観ることができます。

それぞれのセットに合う人物がいるのですが、前述の真っ白な花のセットには蘭兵衛が1人で背中を向けて佇んでいて、立ち姿がめちゃくちゃ絵になっていました。

少しだけ振り返る姿が切なかったです。

カテコで360度ぐるっと舞台を観ることができて、こういう風になってるんだなーって全体像が見れて面白かった!

ただ、しょうがないとはいえ、セットとセットの間にある非常口のマークが気になってしまいました。笑

こればっかりはどうしようもないですよね。

 

 

キャストも皆有名な実力派の方ばかりだったし、すごくクオリティと満足感の高い舞台でした。

さすが新感線!!!って感じ。

タイトルの「髑髏城の七人」はどの七人のことなんだろう?と思いながら観ていたのですが、最後に「まさかwwこの七人wwww」という感じで面白かったです。

勧善懲悪で後味もスッキリしているので、いい気分で帰れます。

 

どのシーンも演出がすごく素敵だったのですが、いのうえひでのりはすごいなぁ…という小学生のような感想しか出てきません。

古田さんのインタビューで「演出家が新しいもの好きだから日本初の劇場に食いついた」と言っていましたが、杮落としが新感線で、こんなにド派手かつ豪華なキャストの舞台だったけど、次にこの劇場を使うのはどのコンテンツなんだろう…と思います。

セットをいくつか作る必要があると思うので、お金のあるコンテンツでないと難しそうな気はしますが、この劇場が今後どう活かされていくのかもすごく楽しみですね。